建設業の経理の状況では、建設業者の経理が適切に行われているかを評価するものです。
建設業の経理の状況の評価項目は、「監査の受審状況」と「公認会計士等の数」の二つからなります。

監査の受審状況

「監査の受審状況」では、次の3つに該当する場合に加点されます。

会計監査人の設置

監査法人や公認会計士を会計監査人として会社の機関に設置した場合に総合評点28点が加点されます。このような会社は会計監査人設置会社と呼ばれ、登記事項証明書に会計監査人が登記されています。経審では、会計監査人が財務諸表に対して、無限定適正意見または限定付適正意見を表明していることが加点要件です。確認方法は、有価証券報告書又は監査報告書の写しとなります。

会計参与の設置

会計参与とは、会計の専門家（税理士・公認会計士）が会社の取締役と共同して決算書を作成する会社の機関で会計参与を設置した場合に総合評点が14点加点されます。このような会社は会計参与設置会社と呼ばれ、登記事項証明書に会計参与が登記されています。経審では、会計参与が会計参与報告書を作成していることが加点要件となります。確認方法は、会計参与報告書の写しとなります。
※税理士に決算書を作成してもらうこととは違います。

経理責任者による自主監査

「経理責任者による自主監査」では、自社内にいる公認会計士、税理士、登録1級建設業経理士等の経理責任者が、自主監査をした場合に総合評点が3点加点されます。具体的には「建設業の経理が適正に行われたことに係る確認項目」を用いて自主監査を実施し「経理処理の適正を確認した旨の書類」に署名することが加点要件です。

自主監査で署名できる者

①公認会計士

国土交通大臣が指定する公認会計士協会が実施する研修を、審査基準日の属する年度から直前3年度以内に120時間以上受講した者

②税理士

国土交通大臣が指定する税理士会が実施する研修を、審査基準日の属する年度の直前年度に36時間以上受講した者

③1級建設業経理士

登録経理士試験合格日が属する年度の翌年度開始日から5年を経過しない者を除き、5年ごとに1級の登録経理講習を受講した者
（令和5年3月31日までは、平成29年3月31日以前の合格者は登録経理講習の受講を猶予）

総合評点値(P)の加点

会計監査人の設置

28点
(総合評点値P)

会計参与の設置

14点
(総合評点値P)

経理処理の適正を
確認した
旨の書類の
提出

3点
(総合評点値P)

無

0点
(総合評点値P)

公認会計士等の数

経理の状況の2つ目は、審査基準日に在籍している公認会計士等の常勤の職員数です。対象となる資格の種類と付与数値は以下の通りです。

(1.2級建設業経理士は、令和5年3月31日までは、平成29年3月31日以前の合格者は登録経理講習の受講を猶予)

付与数値から総合評点値算出

1人が複数の資格を有する場合は、上位の資格のみを加点対象とし、上記の付与数値を合計する。総合評点算出においては、年間完成工事高の額に応じて相対的に評価されます。同じ数値でも年間完成工事高の金額が少ないほど評点が高くなります。

審査項目(社会性等)の詳細ページ

その他社会性等(W)の全体概要

• 雇用・健保・厚生年金加入の有無
• 建退共・退職一時金・企業年金制度の有無
• 法定外労災保険加入の有無
• 建設業の営業継続の状況
• 防災協定締結の有無
• 法令遵守の状況
• 建設業の経理の状況
• 建設機械の保有状況
• ISO9001・1400１登録の有無
• 若者技術者の育成・確保の状況
• CPD単位・技能レベル向上者数